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料理にレシピが必要”は思い込み」自炊疲れしている人に、料理研究家・土井善晴が伝えたいこと
0 名前:匿名さん:2024/02/08 17:24
土井善晴: 今の人たちは味付けすることが料理だと思っていて、そこに苦しみがあるんだと思います。味付けをするとなると、うまい下手が生まれてくるじゃないですか。「私の味付けはこうだ」「あのときの味付けとこれは違う」と、何かにつけて比較してしまいますよね。
そうなると、料理する人が“表現者”になって、食べる人が“観客”になってしまう。この関係は特に西洋料理のレストランに存在するものでした。あそこのお店がいい、このお店がいいと、お客さんとしてレストランを選ぶための基準であって、一般家庭の食事には一切当てはまらなかった考え方です。なのに、いつの間にかそれが家庭の中に入ってきてしまって、日本人はそれがすべてのように思ってしまったんですね。
西洋では、一般人が日常の食事作りで味付けに苦労するなんてことはないんですよ。それはプロであるレストランのシェフがすることであって、家で料理するなら、ただ肉を焼いたらいい。そしてプレート(皿)の上で、自分の食べやすいように切って、塩を付けたり、ソースを絡め、サラダや酢漬けのパプリカと一緒に、混ぜて味付けして食べる。自分で好きに味付けし、つまり、料理しながら食べているんです。
土井善晴: 昔は料理なんか習わなくても、誰もが料理できたと思います。日常は一汁一菜でいいわけで、それでまず栄養バランスは取れます。料理はそれ以上に時間や気持ちに余裕があればすれば良いことで、季節の食材が主役になるのです。和食に西洋のような肉や魚といったメインディッシュという概念はありません。
日本人は肉料理なんて知らないから、開局当時からNHK「きょうの料理」では、中国料理と西洋料理を積極的に取り入れ、肉料理のレシピを発信したのです。今私たちが、和洋中の料理を家庭でも作るようになったのはそのためです。そんなわけで、レシピ依存になるのです。時間もないのに、料理は複雑になって、面倒なもの、したくないという苦手意識を持つ人が増えたというわけです。
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