日本では現在、東京などの大都市を中心に、感染経路が不明な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者が増えています。誰かと濃厚接触した覚えがなく、どこで、どうやってウイルスを取り込んだのかが分からない人の感染は、おそらく、身の回りの物の表面に存在していたウイルスが手指を介して、目、鼻、口の粘膜に到達すること(接触感染)によって生じていると考えられます。それゆえ、「感染者の飛沫と共に飛び散ったこのウイルスが、さまざまな物の表面に付着してからどれくらい長く感染力を維持しているのか」、そして、「そうした表面や手指をどのような方法で消毒すれば感染を防げるのか」について知ることは極めて重要です。今回香港大学のAlex W H Chin氏らは、新型コロナウイルスを様々な環境下に置いて、感染力を維持している期間を検討しました。以下の実験はすべて、1条件につき3つずつ標本を用意し、感染価(*2)を求めて平均値を算出しています。