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料理にレシピが必要”は思い込み」自炊疲れしている人に、料理研究家・土井善晴が伝えたいこと
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103 名前:匿名さん:2024/02/09 23:13
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>>101
ラジオのトークです
「料理はレシピから入らないといけない」は思い込み
さん
――昨今、料理をすることに疲れてしまっている人や苦手意識を持つ人も少なくありません。これにはどういった理由があると思いますか。
土井善晴: 今の人たちは味付けすることが料理だと思っていて、そこに苦しみがあるんだと思います。味付けをするとなると、うまい下手が生まれてくるじゃないですか。「私の味付けはこうだ」「あのときの味付けとこれは違う」と、何かにつけて比較してしまいますよね。
そうなると、料理する人が“表現者”になって、食べる人が“観客”になってしまう。この関係は特に西洋料理のレストランに存在するものでした。あそこのお店がいい、このお店がいいと、お客さんとしてレストランを選ぶための基準であって、一般家庭の食事には一切当てはまらなかった考え方です。なのに、いつの間にかそれが家庭の中に入ってきてしまって、日本人はそれがすべてのように思ってしまったんですね。
でも、西洋では、一般人が日常の食事作りで味付けに苦労するなんてことはないんですよ。それはプロであるレストランのシェフがすることであって、家で料理するなら、ただ肉を焼いたらいい。そしてプレート(皿)の上で、自分の食べやすいように切って、塩を付けたり、ソースを絡め、サラダや酢漬けのパプリカと一緒に、混ぜて味付けして食べる。自分で好きに味付けし、つまり、料理しながら食べているんです。
一方、日本ではお箸を使うので、肉を大きな塊のまま焼くような西洋風のシンプルな調理法は得意ではありません。肉はあらかじめ小さく切る必要がありますし、一口大の肉はどうしても硬くなりやすいので調理に工夫が必要。しかも、今の日本のおかずは、肉だけを食べるのではなく、肉じゃがのように少しのタンパク質と野菜を一緒に調理することが多い。それは主菜を兼ねた副菜、副菜を兼ねた主菜です。そうすると火の通り加減、味付けのタイミングが問題になって、料理が複雑になっていきます。それで今の人は「レシピを見なければ、料理はできないのだ」と思い込んでいるように見えます。そうなるとレシピに依存して、計量は料理じゃないから、楽しくないし、面倒なものになってしまう。