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料理にレシピが必要”は思い込み」自炊疲れしている人に、料理研究家・土井善晴が伝えたいこと
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105 名前:つづき:2024/02/09 23:15
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>>104
日々の基本は「一汁一菜」でじゅうぶん
――料理が苦手な人がもっと気楽に台所に立つためには、どうすればいいのでしょうか。
土井善晴: 日本には昔から、料理をするにしても食べるにしても、栄養的な面も含めてすべてを網羅する「一汁一菜」。つまり、お味噌汁とご飯、漬物です。これを一日3食食べていればなんの問題もありません。全て発酵食品ですから、人間が美味しくつくろうと考えなくても良いのです。それは自然物ですから飽きることもありません。フランスのチーズにパン、ワイン、ハムも全て発酵食品ですね。それに温かい野菜スープで、フランス式の一汁一菜になります。
漬物がなくても、味噌汁を具沢山にすれば、味噌汁がおかずの一品をかねますから、ご飯と味噌汁だけでいいわけです。お椀一杯分の具とお椀いっぱいの水(8分目)を鍋に入れて火にかけ、煮立てば味噌を溶いて、しばらく馴染むまで煮れば出来上がりです。これなら子供でも作れます。具材は包丁を使わずに手でちぎったって構わない。味噌汁の具は何を入れてもいいのです。火の通りに時間がかかりそうなら、小さめに切る。どんな具材も煮ればいずれ柔らかくなります。出汁は不要です。すべての食材から水溶液、味が出て美味しくなります。フランスでも、中国でも、家庭料理は全て水が基本です。スーパーに行く時間がなくても、今あるものを食べるということでいいのです。そうすれば家庭から出る食品ロスもなくなります。有限のお椀の中に無限の変化があるのです。同じものは作れないのです。その変化が楽しいし、感性を豊かにするのです。