NO.9322561
ヘイトクライムって
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25 名前:匿名さん:2021/03/15 22:59
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わたしは耳と自分の語彙力を疑った。クラスを見渡すと、みんな下を向いてクスクス笑っていた。先生は続けた。「日本人は真剣勝負の時に変なパンツ一丁になるじゃないか。相撲レスラー知ってるだろ?お前も日本人ならああやって真剣さを演出していいんだ、誰も止めやしないから」――。
”どのくらいの屈辱を我慢したら、誰かに、立派な日本人だって褒めてもらえるんだろう。何度この悔しい時間を繰り返したら、こんな馬鹿な人たちからジャップと侮辱されなくなるんだろう。わたしがあと何を耐えれば、教室という名のこの世界は、平和で理解に満ちたものになるんだろう”
そう考えたわたしは年相応に幼かった。どんなに正しく暮らしても、人生に闖入する敵がゼロになることはなく、差別は消えず、啀み合いはなくならず、"この数学の教師"がいなくなることはない。それに差別に抗っても、別に光栄な式典に招かれるようなことにはならない。差別は社会に織り込み済みだから。