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「がんを早期発見すれば長生きできる」は間違い…日本人が知らないがん検診の"本当の効果"

0 名前:匿名さん:2023/02/23 14:52
がん検診にはどんな効果があるのか。元厚生労働省医系技官で医師の木村盛世さんは「がん検診を受けても死亡率が下がるという信頼性の高いエビデンスは存在しない。がん検診は心理的・経済的な負担を増やすだけだ」という――。

■早期発見しても生存確率が上がるわけではない

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Q. がん検診は、外国でも日本のように行われているのですか? 
A. 企業が使用者責任の名のもとにがん検診を半強制的に行うような国は、日本だけでしょう。
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 がんの早期発見、早期治療に関しては、議論の分かれるところです。というのは、早く見つけたからといって生存確率が延びる、という信頼性の高いエビデンス(科学的根拠)は得られていないからです。また、高齢になれば、がん治療による身体的負担は大きく、QOL(生活の質)は低下します。

 海外の科学者からは「早期発見してどうする」と疑問視する声もありますが、日本ではそれが全くと言っていいほど聞かれないのが不思議です。公費を使って抗がん剤を使う場合の費用対効果の分析も、日本では欠如しています。

 海外でもがん検診を推奨はしますし、ある地域はある年齢以上には子宮頸(けい)がん検診のクーポン券を配ります。しかし、日本の場合、国家公務員は健康診断、がん検診を拒否したら懲戒の対象です(実際懲戒処分されるかは不明ですが、国家公務員法に基づけばそうなり得ます)。そこまでして健診や検診を受けさせる国は他に存在しないでしょう。

 効果がはっきりしないがん検診が、企業人にとって半強制という、不思議な国です、日本は。

■がんを治療できても死亡率が下がるわけではない

 がんは体のどこにでもできるので、仮にその一つを見つけて(例えばすい臓がん)、その臓器のがんが減ったとしても、他の臓器のがんでの死亡率が増加してしまったり、あるいは、がん以外の死亡原因(脳卒中や心筋梗塞など)の死亡が増えたりすると、全体として、一部のがん検診を受けたところで、大海の一滴になってしまう可能性があります。

 アメリカのCDC(米疾病対策センター)はこの頃、ヘビースモーカーに関しては2年に1度、CT検査を勧めると言っていますが、この取り組みが寿命を延ばすかはまだよくわかりません。ダートマス大学のウェルチ教授によると、がんにはウサギとカメとトリがあるそうです(*1)。

 ウサギは「治療する意味があるがん」です。カメは進行が遅いので治療する必要がなく、がん検診によって発見して治療をしても、かえってその人の体力などを低下させるため、不必要な治療になってしまいます。乳がんがカメの典型例です。トリは、早期発見しても助からないほど進行スピードが速いがんです。


何が正しいのか、
何が本当なのか、
分からなくなる。
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